スタイリッシュな空間でいただく酒蔵「富久錦」直営。兵庫・東灘「蕎麦 ふくあかり」

最近着々と支店を出店しつつ、また修行した人がお店を出したりして「土山人」系なるものができつつある蕎麦屋の系列で、「芦屋 土山人」や夙川の「馳走 侘助」で修行された神戸市御影にある「蕎麦 ふくあかり」。神戸といっても郊外、灘から六甲山地へ少し上がった新興住宅街にオープンしたお店は、白壁と大きく横長に切取ったガラス窓が印象的なスタイリッシュな店構えが目を引く。入口は階段を少し上がったところにあり、庭師が作った小庭、木工作家が作った天然木ベンチが客の心を和ませる。

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中に入るとオープンキッチンになっており、酒樽に使われていたという杉板のカウンター6席とテーブルが3卓の明るい店内。扉やカウンターに酒樽の古材が使われるのは、ご主人の奥様の実家が加西市の酒蔵「富久錦」だからなのか。酒は「富久錦」をメインに「灘泉」「剣菱」など御影郷のものがそろうのである。

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窓が大きくとられたシンプルでモダンな和の空間は居心地がよく、隣接する公園の緑があふれ、穏やかな気持ちになる。時間がないからといって慌てて蕎麦だけ啜って出るには惜しい、休日の昼なんぞにゆったりと一杯やりたいそんな雰囲気である。

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一日10食限定の「昼の松花堂セット」は二種(生粉打ち十割、玄挽きせいろ)盛りせいろか季節のかけそばを選べるのだが、おすすめは二種盛りです。四種類の器には「桜エビのかき揚げ」「京鴨ロース煮、だし巻きたまご」「大根煮」「南蛮漬けマリネ」が色鮮やかに並び食欲をそそる。そば豆腐もついているのである。メニューには「今日の冷酒半合」の文字がある。料理を肴にゆっくり飲みたくなるようなメニュー構成と空間です。

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〆に二種盛りのそばが出てくる。「生粉打ちせいろ」はそばの実の外殻を除き、ていねいに石臼で挽き、昔から「宮水」と呼ばれる灘の酒蔵「灘泉」の仕込み水を加えて打つ十割そば、端正な細切りで淡い緑色が美しく、するりとのどを通って、後から優しい甘みや旨みが追いかけてくる。「玄挽きせいろ」は、玄そばを殻ごと挽いたそばで、そばの実の中央にあるさらしな粉に近い部分を多く使っており、透明感があってプリプリしているが、香りや味は上品である。

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ちょっときれい過ぎる感じであるが、濃い目のつけ汁とは相性が良かったのである。軽くお酒を飲んでから、締めのそばを手繰るという粋なお店である。

 

京都人の店主が完成度の高いそばを目指す。京都・宇治「石臼挽き十割そば しゅばく」

宇治橋東詰に創業800年という「通圓茶屋」があり、その角を曲がると石畳の路地。朝霧通りにそば屋「しゅばく」があります。店名は漢字では「酒蕎麦」と書くそうである。

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こじんまりとした感じの入口には季節ごとに変えるという暖簾をくぐり、店内に入ると、左右にテーブル席2卓と小上がり2卓。奥のカウンター席の前に打ち場が見える。

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メニューにある日本酒よりも壁に貼っている「喜久酔」の純米酒と自家製の味噌漬け2種に目をつける。田舎味噌に一ヶ月漬けた豆腐と一週間漬けたクリームチーズなのだが、小生はクリームチーズの味噌漬け410円を注文した。お酒も半合560円で注文できるのが嬉しい。クリームチーズはふわりと柔らかくクリーミィーで塩っ気が利いているので日本酒にベストマッチであった。

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蕎麦は丸抜きの十割手打ち蕎麦である。注文する時に悩んだのが「冷やしそば」である。蕎麦の上に多量のネギと刻み油揚げが載っている写真が目に入ったのだがやはりオーソドックスに「ざる」930円を注文したのである。

ほのかなかおりと穀物っぽい味を感じるが、咽越しの爽やかさもあり、バランスがよい。十割であるが細打ちでその分少し硬めではあるがつゆにつけると丁度よい感じである。冷たいつゆは良い醤油と良い鰹節でしっかり味のあっさりだしになっているのである。これが少し穀物っぽい蕎麦にあうのであった。さすが京都の名店「なかじん」で修行された店主である。

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注目した「冷やしそば」は注文が来てから油揚げを塩で焼き、大根おろしには醤油を少々かけてすだちを落とす。ほかのミョウガ、しその葉、ネギ、海苔といった薬味と共に混ぜて口の中にいれると、それぞれの素材のアンサンブルが心地よく、奥深い味わいとなっている。

 

 

 

ミシュラン一つ星獲得のJAZZ流れるお店のカウンターで一献!兵庫・苦楽園「手打ち蕎麦 有漢や」

苦楽園口にある「手打ち蕎麦 有漢や」は、ミシュラン2011・2012と2年連続☆獲とくのお店です。

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ビルの一階に暖簾を出したこじんまりとした入り口、ダークブラウンを基調にした落ち着いた雰囲気のなか、蕎麦店には珍しいオープンキッチンでテーブル席には仕切りがあり、半個室になっています。

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一人なのでカウンターに座る。まだ湯が沸いていないということで、調理のいらない小鯛の笹漬け700円と日本酒を頼むことにした。最近そば前酒に凝っている今日このごろなのである。お酒のメニューを見て目を引いたのが「ひこ孫純米酒」と「日置桜山滴る特別純米生酒」の二つであった。お店の人に聞くとどちらでもという返事でだったので日置桜を冷やで頼む。銘酒他常時20種のお酒を揃えていてカウンターでJAZZを聞きながら、スコッチならぬ日本酒が並ぶ棚を見ながら蕎麦呑みを楽しめるお洒落な空間です。

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湯も沸いたことから蕎麦を頼むことにしたのであるが、メニューには、石臼挽き手打ち蕎麦では「ニ八」・「田舎(ニ八)」・「生粉打ち十割」の3種類で全部楽しめる「三色蕎麦」1500円もある。ここのご主人は東京の一茶庵系と聞いていたのでそばつゆは関東風の返しの効いた少し濃い目が予想されたので「田舎(ニハ)」900円を頼むことにした。田舎の特色である少し固めだが弾力のあるそば、関東風の返しの効いた少し濃い目のつゆにも蕎麦は負けていません。

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お酒も残っていたのでねぎみそ500円も頼んでみたが、ねぎというよりくるみみそでやはり焼きみそのほうが良かったかな。

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芦屋「土山人」系そば店、そば屋酒を嗜みたい滋賀・長浜「手打ち蕎麦 みたに」

長浜といえば「翼果楼の焼鯖そうめん」や「鳥喜多本店の親子丼」(2013・9・15放映ドライブGO!GO!)といった名物があるが今日はお蕎麦である。2014年NHK大河ドラマは「軍師官兵衛」に決定。豊臣秀吉が最初に城持ち大名になった町、豊臣秀吉に仕えた軍師・黒田官兵衛は、北近江・長浜が黒田家発祥の地とつたわっっている。長浜の街を南北に走る北国街道は江戸時代、五街道に次ぐ重要な道で、文物の交流を繋ぐ人々の往来で賑わったといい、そんな街道が店の前を通る町筋にお店はある。

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店の前は沖縄風の淡いブルーのタイルを敷き詰めた玄関口の両脇に2体のシーサーが座り、タイルで「みたに」の文字が浮かぶ。

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店の造りはいたってシンプル。土ち木の香りが醸し出す質感が漂っており、ご主人が師匠と仰ぐ「土山人」の協力を得て設計されたことがよくわかる。座席とテーブル席がある店内には師匠の書が壁に掲げられている。

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そばの種類は基本2種類。「細挽きせいろ」と「粗挽き田舎」740円である。「細挽きせいろ」は丸抜きを微粉にして打つ蕎麦でコシが強く、つるりとした咽越しが良く、雑味のない清涼感あふれる味わいといわれ、いつもなら頼むのであるが、お勧めは 「粗挽き田舎」とのことであったのでそちらを注文することにした。
殻付きの玄そばを二度挽きする「粗挽き田舎」はガツンとした野太い風味があって香りが良いとのことであった。田舎そばは少し太めでモチっとした食感のところが多いのであまり好きでないのだが、ここの蕎麦は少し硬い感じはするが濃厚な風味は生きており細めなので咽越しも悪くない。

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最初の一口はそのままに、二口目は塩でいただく。利き酒ならぬ利きそばといったところである。そばがいっそう甘く感じる。三口目はわさびのみで、四口目でさっぱりとした辛口のつゆでいただいたのである。まるで名古屋の「ひつまぶし」のようで、あっというまに完食である。

また蕎麦湯がとろりとした蕎麦湯で少し辛めのつゆとあいまって美味であった。少しわさびを浮かし味もまた美味なのである。11時半の開店と同時に入店した一番客の蕎麦湯がとろりなのである。店主の気持ちが嬉しい。

そば以外の一品料理も品数が多く、酒の種類も豊富で「七本槍」「王禄」「三千盛」等豊富であった。本当に「そば屋酒」をしたいと思ったお店であった。

横浜「一茶庵」で習得した主人が打つそば三昧で勝負する三重・松阪「そば処 荒凡夫」

場所は松阪市内のマックスバリュの敷地内にあり、木の柱で構成されたインパクトのある外観に黄色の暖簾がかかっています。「そば処 荒凡夫」少々変わった店名の意味は「平凡だが自由に生きる男」ということらしい。

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すっきりとした店内はそばの香りが楽しめるように禁煙である。店内のインテリアはシンプル&モダンでテーブルには天井からライトが下がり、くつろげる演出になっており、全20席、カフェのような空間である。しかし個人的感想を言えば蕎麦を食べるという空間ではないような感じがしてどこか落ち着かないのである。

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さてメニューといえば、ざるそばは「ニ八」「十割」「粗挽き十割」も3種類で、楽しみにしていた雑誌に出ていた3種類の蕎麦が食べ比べできる「そば三昧ざる」や、山芋、からみ大根、だしつゆと3種類のつゆにつけて食べる「荒凡夫そば」は只今中止とのこと。

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 仕方なく「ニ八そば」750円を注文する。細打ちの香り豊かで蕎麦の甘味も感じることができる一品であるが小生には少し硬く感じた。おまけにだしつゆが辛いのである。そばゆを飲むには丁度よかったのであるがやはり辛いのである。食べ終えて暫くしてもその辛さが口の中に残っていたのである。

信楽川を見下ろす竹林に寄り添う一軒家で手繰る粗挽き十割蕎麦!滋賀・信楽「生粉打 作美」

草津といっても群馬・草津温泉ではなく京都と滋賀の間の草津で、甲賀・信楽の近く、焼き物の町として知られるお馴染み狸の信楽を源流とする信楽川沿いの山間に山小屋風の一軒家が姿をあらわす。川沿いの竹林に寄り添う一軒家が目的の蕎麦屋「生粉打 作美」である。辺りは日本最古の朝宮茶の産地で、向かいの斜面に茶畑が濃緑の帯を描いている。

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11時半の営業開始を待って先着から入店していくのであるが客席は4人掛けテーブル2卓と囲炉裏がひとつ、3グループしか一度に入店できない。靴を脱いで上がる店内は絨毯がひかれた落ちついた雰囲気で囲炉裏の向こうにはテラスがありそうである。一人でも4人掛けの卓に案内される。相席でも構わないのであるが占有で良い様子。注文を取る際も追加オーダーは無理とのことであり、天ぷら類もない。しかしながらクーラーの下に別メニューがあり、「釜あげそば」「生粉焼ぜんざい」等がかいてある。 「盛り」900円を頼む。お酒は無い。

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暫くして運ばれてきた蕎麦は2mm程ある太打ちそばで粗挽きで甘皮を多く取り入れた十割そばである。運んできた店主の母親であろうか丁寧な応対で最初はそのままで次に塩でそして後はそばつゆで食してくださいといわれる。しっとりとした薄緑色でもちもちとした歯ざわりがり、蕎麦の表面も少しぬめり感がある。そばつゆの昆布や鰹のダシをきかせた落ち着いたそばつゆで麺との相性もよかった。 「釜あげそば」のメニューからもうどんに近いのではないかと感じてしまった。

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しかし、しかしである、最後に運ばれてきた茶碗蒸しの器のようなものに入った蕎麦湯には驚きであり、温度といい、白濁加減といい、とろみといい、最高の蕎麦湯であった。印象に一番残ったのが蕎麦湯ではいかがなものかと思うが間違いない。

内田康夫著・浅見光彦シリーズ「遺譜」に登場!兵庫・丹波そば切り「花格子」

丹波篠山をおじさん歩をしているのだが、10程前に行ったことがある「波之丹州蕎麦処 一会庵」やミシュランにも掲載されている「ろあん松田」といった有名なお蕎麦やさんは距離があり、ここは距離的にも近い篠山市内の丹波そば切り「花格子」さんに向かう。このあたりは河原町妻入商家群といわれる篠山城築城の際に作られ、城下町篠山の商業の中心として大変栄えた古い街並みで、妻入り商家が軒を連ねていてそんな一角にお店はある。

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妻入商家の建物の暖簾をくぐると中は 日本家具といっしょにぐい飲みや切り絵などが配置されており、入口すぐの黒板にはお勧めのメニューが書かれていた。もとは和食の料理人をされていたのか一品料理が充実である。お勧めのお酒も書いてあり、兵庫の銘酒「小鼓」も載ってる。入り口から入ってすぐ右手は座敷席になっており、入口からまっすぐ4人掛けのテーブルが3卓並んでいる。

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最初にそばの端っこを揚げたそば煎餅がお茶と一緒に運ばれてきたのであるが、普通は細い麺を揚げた揚げ蕎麦を出すところが多いのだが、麺にする前の伸ばした生地の端っこを揚げた蕎麦煎餅、これが香ばしい味わいで美味しい。

メニューはもりそば840円を基本に御飯物と小鉢がセットになったそば膳1260円といったものが載っています。入口でみた「好評の坂越の牡蠣の天ぷら今年も入荷780円」と「牡蠣の天ぷら付染めおろし蕎麦(温)1380円」の貼り紙が目に焼き付いていたのでいつもならもり蕎麦を頼むところであるが、冷えた体と牡蠣の天ぷらの欲望に勝てず、これに黒豆笹おこわをセット(小鉢付)にした1780円を頼むことにしたのである。

冷たい細切りの十割そばに熱いだし汁をかけ、その上に紅葉おろしときざみ葱、そして坂越(播州赤穂)の牡蠣の天ぷらが2個乗った椀と小鉢と黒豆笹おこわが運ばれてきたのである。この天ぷらが絶品であった。適度にだし汁を吸った衣とぎりぎりのタイミングで揚げた丸々と太った牡蠣は身が柔らかく、縮むことがなく、プリっとした食感がベストマッチで至福の時間であった。

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お蕎麦も細麺ながらしっかりとコシがあり咽越しも良かったのであるがあまりにも紅葉おろしが辛く評価はもりを頼んだ時にすることにする。とにかく牡蠣の天ぷらが最高であった。蕎麦湯もそば粉を溶いたものが供される。

芦屋 土山人の姉妹店、蕎麦会席や一品料理と酒を楽しむ!兵庫・夙川「馳走 侘助」

「芦屋土山人」の系列店で、新しいアイデアを盛り込んだ蕎麦会席や、昔ながらのそば屋のあてとうまい酒、季節の旬の食材を使った一品料理などを落ち着いた雰囲気の店内で お客様の様々なシチュエーションに応えれるよう提供しているお店が「馳走 侘助」です。

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阪急夙川駅から線路沿いに西に向かい、線路挟んだ北側に以前いった「あんばい」があるといった地理感覚です。むかったビルの壁には「侘助」の木製看板があるものの入口がわかりずらく、左側の雑貨屋さんの右手の奥をすすんでいきます。この雑貨屋の入口すぐが「馳走 侘助」の入口なのです。入口入ったところには待合席が3席あります。

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入口から入ってすぐに土間風のテーブル席2卓ある。奥にはいくつかに仕切られた個室風の作りの店内。店内は意外と広く、通常の座敷、靴を脱いで上がる板の間のテーブル席など和モダンな作り。店員はアルバイトっぽい若い子だが、教育が行き届いていて心地のよい接客に好感が持てます。和の静寂と和みが存分に味わえる、個室感覚の店内は、一度座るとなかなか腰があがらなくなる居心地のよさ。そこここに飾られた季節の花などのしつらえも美しい。

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まずは冷酒からだが、銘柄もたくさんあったが「風の森」700円があったので頼みことに。お通しとして蕎麦のあられが出てきたのである。揚げ蕎麦を出す店は多いが、あられは珍しい。蕎麦煎餅というところもあるが。「風の森」純米酒をたのんだのが高知の文佳人や川鶴などもあり、基本甘口系が多いのかなと感じてしまった。

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おすすめ料理は「侘助膳」1500円、蕎麦は冷たいのでと御願いした。出てきた「侘助膳」は二度芋と鶏のそぼろ煮、白魚とかぼちゃの天ぷら、えんどう豆の玉子とじの小鉢、切干大根そして桜海老の炊き込み御飯と細挽きせいろである。そば前としてお酒を飲んでいる小生としては肴になる天ぷらや小鉢はありがたいが〆に蕎麦といきたいのに、もう蕎麦が出ている。蕎麦の表面が乾いてしまうではないか?御飯が〆になってしまうではないか?頼んだ小生が悪いのか?仕方ないのでまず蕎麦を先に食すことにしたのである。

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細挽せいろは、つるっとした表面ののど越しを楽しむ蕎麦で、思った以上にしっかりと量がある。田舎に比べると風味は劣るが、それでも鼻に抜ける蕎麦の香りを十分に楽しめる。コシがしっかりしていて、きれいな蕎麦である。

落ち着けて居心地の良い店であるが料理の順というものを考えてほしいというのは欲張りなのかな。

伝説の地名から美しく名付けられた関西のホープ!奈良市「そば切り 百夜月」 

最近奈良にも有名蕎麦屋がちらほら現れてきたようであるがここ「そば切り 百夜月」もそんなお店のひとつです。近鉄奈良駅から奈良女子大に向かう細い路地、中筋通りに面した洒落た蕎麦屋である。

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重い木の扉を開けて入ると長い一枚板のテーブルと二人掛けのテーブル2卓のこじんまりとしたお店で、店内の雰囲気づくりに、天井には大胆に大きな布をあしらい、木の長テーブルには可憐な花が置かれている。

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ガラス張りの店内はモダンなオープンカフェさながらの雰囲気で女性が一人で入ってこられやすい感じである。

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お腹がすいているのですぐにメニューを見ると「ニ八蕎麦」「十割蕎麦」「手挽き蕎麦」の3種類である。ここのご主人は名古屋の「蕎麦工房 沙羅餐」で修行されたとのことで、いつも沙羅餐ではニ八蕎麦を食べていたので違う味わいを求めて「十割蕎麦」840円を注文する。出てきた蕎麦は細い木船の様な形の器に盛られており十割らしく適度に外皮が混じり、蕎麦らしい風味と色合いである。長さもあり、蕎麦は噛みしめると少々固く粘りはあるもののそばの味が濃厚に感じられ、関西風に鰹風味を少し強調したスッキリとしたそばつゆとあいまって咽越しはよかったのである。しかしながら別作りの蕎麦湯とそばつゆの相性は少し違っていたように感じた。

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ちなみに「百夜月」の名は店主のおじいさんが住んでいた田舎の地名とのことであるが、実際三重県熊野市紀和町花井(けい)に「百夜月」という美しい地名がある。北山川沿いにあり、現在でも対岸の和歌山県新宮市熊野川町九重から渡し船で渡るしか行く方法がないという陸の孤島のような集落である。

この地名には伝説があるのである。そこには光月山紅梅寺というお寺があって、美しく若い尼僧が一人住み仏道修行に励んでいたとのこと。尼僧は近隣の村の若者達の憧れの的であった。ある日一人の若者が彼女にあって話をしたいと思い、昼間では村人に知られ尼僧の迷惑がかかるので、夜に川を渡って会いに行くことにしたのであるが、来る日も来る日も山の上の月明かりがあまりにも明るくて村人に知られてしまうと思い、川を渡ることが出来ずに九十九夜を数えてしまったのである。

家に引き返し母にその事を打ち明けると、母は「あの方は仏様をお守りしている方なのだから、あのお月さまの光は人々が悪さをしないようにいつもあたりを照らしていて百夜通っても駄目だよ」と諭したとのこと。

それからこの地を「百夜月(ももよづき)」と呼ぶようになったそうである。

話は続きがあり尼僧は仏の教えを広める為、寺の宝物を近隣の村に分け与えて祀ってもらおうと考え、川下の村には花瓶を、川向の村には九重の重箱を与え、川向川上の村には竹の筒を与えました。今では、花瓶を与えらえた村が「花井(けい)」、九重の重箱を与えられた村が「九重」、竹の筒を与えられた村が「竹筒(たけと)と呼ばれる地名になっている。

大きく開けた窓と大谷石との美しい空間で味わう繊細な十割そば!三重・名張「そば.けいた」

大阪市内から電車で約1時間、青蓮寺湖や赤目四十八滝などの観光地にもほど近い 青蓮寺ダム上の道を渡り百合丘という新興住宅街の小高い丘のうえの一角に目的の蕎麦屋「そば、けいた」がある。

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ケヤキや椿・利久梅が植えられた緑の庭、一軒カフェかギャラリーを思わせる店舗は、外から見てもどこか温かな空気に満ちている。店内に入ってみると、南西に大きく開けたガラス窓一面に映える庭の緑が目に優しく飛び込んでくる。床には栃木県で採れる大谷石を敷いていて夏は湿気を吸収し、冬は薪ストーブの熱を蓄積してくれる。栃木県宇都宮市の郊外で産出する大谷石は古くから建築資材として用いられてきたがその名が一躍脚光を浴びたのは、米国の建築家フランク・ロイド・ライトが東京・日比谷に旧帝国ホテルを建てる際、自ら望み資材に採用したことである。空間の美しさにほれぼれするお店です。

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メニューはざる700円・天ぷら大600円で小400円・天ざる1100円で他にもそばがきや一品物・日本酒とある。お店の奥様と思しき女性がそば茶をもって注文を聞きにくる。まずはお通しで「きゅうりとにんじんのぬかづけ」とそばつゆが運ばれてきた。薬味は白ねぎとわさび、追加のそばつゆも一緒に陶器の器にいれられてきた。そば猪口も当然陶器である。しかし、しかしである、そば茶のおかわりがちんけなアルミのやかんである。それもめの覚めるようなグリーンのケトルである。天ぷらは季節の夏野菜まんさいで美味しい。

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次に待望のそばが運ばれてきた。陶器の皿にスノコを引いて思ったよりも多目のそばが盛られている。 丸抜きを細かく挽いたものを細打ちした十割そばである。、色、細めんと見た目にも美味しそうな蕎麦なのである。
しかし口に入れたとたん評価は?がついた。原因は麺が乾燥していたことである。 水切りを完璧にした為かそばの表面の水分も飛んでしまい山状に盛られた表面のそばがぼそぼそしていたのである。 適度に水分が残っていた中ほどは美味しかった。蕎麦湯も一番乗りの割には蕎麦湯も結構白く濁っており、追加のそばつゆまで飲んでしまった。

秋・冬限定には「牛汁」ならぬ「鴨汁」1200円です。「鴨汁」も麺はいつもの細打ちの十割そばで綺麗な出来栄えであったが、つけ汁である「鴨汁」が小生には物足りなかったのである。まずつけ汁が薄く感じた。もう少し濃い目でも良いのではないか?鴨から出るはずである油の甘味もなく、ねぎの香ばしさもない。そのためにもともと繊細な細打ちの麺なのでつけて食べても何のインパクトも無くガッカリであった。ねぎが細いように感じたのであるがどうであろうか?

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